「学会・講演会でのTwitter」−第一回Web学会シンポジウムに参加して−

 Twitterを利用したの研究会・講演会に出席するのは別に初めてではないが、
第一回Web学会シンポジウムにおいて、主催者の「創発効果」「情報伝播」「ムーブメント」への期待を込めた姿勢は敬意に値するものであった。
以下は、Web学会シンポジウムの継続と発展に願いを込めて書く日記である。

 企業や学会は、基本的にその知識が大きな資産価値となる。情報の秘匿性とトレードシークレットが生む収益・価値。それらの関係上、Twitterの様なオープンで伝播性の高いコミュニケーションは、情報漏えいにおいて常に高い危険性を孕んでいる。

 主催者が、本当に情報をオープンにして、創発を望むのか?そうではないのか?
あるがままに、コントロール不能な情報の伝播を、望むのか?そうではないのか?
最初にその判断が重要である。禁止するなら徹底して「Twitter禁止」が明確で良い。

 今回、第一回Web学会シンポジウム主催者側が、これらの危険を十分承知の上で、堂々と宣言して、積極的にTwitterを導入した。それは来場者への「情報提供」による「創発コミュニケーション」への期待、「情報の伝播」による「ムーブメント」の発生への期待、それらの強い意思表示であったと言える。

 この最初の条件提示があったからこそ、参加者の我々もすぐ反応した。
「おお!そうこなくては!相手は本気だ!心してかかろう!」
そして積極的・真剣に質問ついーとを行い、真剣に批判も行った。その結果として、主催者も参加者の多くのリアル反応をリアルタイムに観察出来たわけである。

 また、今回のTwitterオンリーの質問形式は、主催者側のメリットとして、
Twitterの特徴、「相手の発言をスルーできる特性」をうまく使える点が挙げられる。質問を真摯に受け止める事は重要だが、大量の質問量においてその傾向を把握しながら、暴言や中傷、講演内容を聞いて無いような質問を、オミット出来るのは良い点である。質問内容のリスト公開を行い、公正さを示すことで、質問の精度も高められる。こんな特徴を活かしながら、講義の最中にどんどん質問をリサーチ・分析することで、より有意義な質問情報収集、質問タイムに繋げることが可能だ。事前にルールが十分に認識されれば、遠隔参加者、会場参加者の区別無く適用出来る。
多数の参加者がある場合、特に有効な方法である。

 確かに今回は、Web学会という情報を扱うアカデミーであったので実現出来た部分も大きい。しかし、これまでの「学会」というオーガニゼーションから考えれば大いなる試みだ。私は十分に敬意に値する行為だと思う。

 これからのセミナー、シンポジウムにおいて、
主催者は、その「創発効果」「情報伝播」「ムーブメント」を十分に得たいのなら、
危険性を事前に十分に考慮した上で、中途半端をせずに、最初からTwitter質問などを導入すれば良い。そんな主催者の姿勢が十分に伝えられ、内容が理解できたなら、我々参加者も心して、意見を述べ、協力する気持ちが自然に湧いてくる。
相手の立場を思いやり、自分自身を正直にオープンに出来ないと創発は成立たない。とても大切なことだと思う。
やはり人と人。お互いの態度がはっきりしないと有益なコミュニケーションは困難なのだ。
 これは実にTwitterのコミュニケーションと似ている。相手に多くの自分を正直にさらけ出し、誠意を持って話さないと、Twitterコミュニティでの信頼は得られない。

 最後になるが、最近、botやリスト、Twitter有料化の企業戦略などが出てきて、
情報収集のみに使ったり、宣伝に使うので、Twitterコミュニティーが今後どうなるかは、微妙な感じがある。
しかし今現在、僕はTwitterについて覚悟を決めている。
誠意を持って良識ある方々とのコミュニケーションに、そして情報共有に、Twitterを使おうと思う。
なんといっても、少しの勇気があれば、
多くの尊敬すべき日本の知識人の方々とオープンな会話のチャンスがあって!
今のところ無料で!
日本語への適応性と情報伝播スピードは抜群!なう!