過去日記2:「自動的かつ強制的接続:日本の人口問題」

つづき


「4つの階層から見る人間と科学技術」を書く半年前ぐらいから
都立日比谷図書館が休館になり 国立国会図書館に通うようになった
もともと本を借りて読むために図書館に行くわけではなかった
「人間と科学技術の未来予測」に対する自分なりのアプローチ方法
そのために必要な情報・参考資料を集める
国会図書館は本が借りられないかわりに資料だらけ
比較的座れる 判らないことは図書館員に訊けばよい
理想的・魅力的環境


そして政府系・学会系の資料を読み進めるうちに覚えたのは
 「いやな感じの違和感」
政府という一種のイデオロギーと 
科学学会という一種のイデオロギーと 
僕が所属する企業・一般という一種のイデオロギー


それぞれが真面目に一生懸命考えて それぞれが考えていることがちがう

良いとか 悪いとかではなく

もうそれぞれが考えていることにこんぽんてきな違いがそんざいする 


きっかけになったのは
「日本の人口問題」 
全く興味がなく 興味を持つつもりもない 個人的にまったく関係ない問題
しかし 自動的かつ強制的に興味を持つことになった


自動的かつ強制的接続
それは経済産業省アカデミック・ロードマップ上の ある記載からはじまった
2008年の春から夏に日本人口問題について考えはじめ 
その結果 最後にこんなことをかいている
これは だれかに対する批判とかではない 
しぜんに思ったことを書いただけ
著作権はあるのだろうが 少しの人しか読んだことはない
自分自身が考えをまとめるただのノート 未修正版から抜粋

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実は、最初に「あれっ! これっ! おかしいな?」と思ったのは、ずいぶん前で、経済産業省アカデミック・ロードマップの機械分野「産業用ロボット」(平成19年2月)の将来の社会に関する展望の項目に「ロボット技術の発展により、人間でなければどうしても出来ない作業の割合が減り、ロボットによる自動化、あるいは人とロボットの協業作業の割合が増える。その結果、日本社会の少子高齢化の傾向に関わらず、日本の製造業は国際競争力を維持する。」の記述があったことがひっかかっていました。
でも忙しいのでほっておきました。
次に、総務省の平成20年度IT政策大綱の冒頭の大事な部分に「我が国は、人口減少社会が現実のものとなり、国内市場が成熟化を迎えつつある。このような状況において、我が国経済を新たな成長トレンドに乗せるためには、我が国GDPの大黒柱であるICT産業の国際競争力の強化が不可欠である。」との記述があったことです。

「ふざけるな!大した少子化政策もやっていないぞ!」
それが「日本の人口問題」について考えるきっかけとなりました。

この2つの記載は社会と経済の観点が逆転しています。
「日本人の総数が減少した全体マスで、しかも極端な少子高齢化の社会で、(ITやロボットの力を借りて)経済的には国際的に発展する・・・そんな社会・・・」
日本人の豊かな生活社会でしょうか?
「経済が発展したからといって必ず人間の豊かな生活社会に繋がるとは限らない。」
SF小説で書かれているような未来問題が当り前として書かれていました。

さて、国連や総務省が人口に関する統計データ・データ分析結果を公開しているので人口問題について調べるのは簡単です。
世界の状況と比べても日本の人口減少・少子高齢化は大変なものです。日本人人口はすでに2008年9月で前年度比14万5000人減少、65歳以上人口以外は全ての年齢層で減少しており、65歳以上人口割合は21.5%を占めています。1月現在、日本の総人口は1億2763万人ですが、2050年には総人口数1億人に達するか、達しないかの減少予想が主流で65歳以上人口割合は35%から40%を占めることになります。
確かに「高齢化」は世界的トレンドです。国連から2003年、2007年と定期的に”World Population Ageing”という人口高齢化の専門書が出ているほどです。
しかし国や地域によって人口高齢化の原因や未来への傾向は異なります。
当たり前のことですが近年の医療の急速な発展により、人類全体の寿命が延びていますので世界戦争の勃発や危険なウイルスの蔓延といった不測の事態が発生せずに、普通にいけば、地球上の高年齢者の割合は増え、人口は増加します。現在約67億人の世界人口は2050年には90億人を超えると予想されています。これは発展途上国新興国が出生をコントロールした場合の数字です。これらの人口に関する統計データや分析結果は国連の人口局が、国・地域・時代・年齢・ジェンダー別などの様々な角度から分析しています。
2050年までの日本の人口推移は世界の中でも極めて特徴的だと思います。
時間がある時にぜひ確認してみて下さい。

もちろん国連の未来予想データが日本人口の絶対的な将来を示すものではありませんし、今から改善施策を始めれば将来に向けて改善することが出来ます。それはちょうど気象変動問題と似ていて、今、改善策を始めて、すぐ結果が出るという訳ではないです。でもたぶん気象変動問題よりも結果は早く、そして明確に出ます。
人口減少・少子高齢化問題は日本の豊かな生活社会の根本的な問題です。もうみんな漠然と意識はしているので、より具体的に認識して、アクションするだけです。意見は色々あると思いますが、世界の総人口が増える中で、日本の総人口は減って、高齢者割合だけが著しく増えていくのはたぶんみんなが困るでしょう。

政策的に考えると、先進国地域、特に日本とヨーロッパの先進国の人口の推移傾向は類似している部分が多いので、普通ならまず、ヨーロッパ諸国を参考にした人口減少と少子高齢化に対応した社会保障的な施策が試行されてしかるべきだと思います。
なぜこれまで試行されていないのか?日本政府も考えなかったわけではないでしょう。これは私見もありますが、人口問題を解決するための社会保障施策などで出生コントロールをすることは、コントロールすること自体が困難で、費用対効果を明確に判断することが難しく、また必ず長期的施策になり費用もかかるとの判断があったようです。結果的に政権は二の足を踏み、長期的な日本の豊かな生活社会のための対人口問題の施策ではなく、より短期間で効果が判る人口減少・少子高齢化を前提とした経済成長政策を優先させた経緯が見られます。
昨年の「世界金融危機」以降、失業問題がクローズアップされ、「持続可能な社会の創造」のテーマが国民の注目を集め始めました。とたんに、総務省の「日本の人口減少・少子化をITテクノロジーでカバーして経済を発展させる。」といった標記は改定され、「中小企業の効率化や雇用改善のためにITやテクノロジーを活用する。」といった標記に変わりました。また最近になって「子育て応援特別手当」等が急にクローズアップされ、一部のメディアでは日本の人口問題が頻繁に扱われるようになりました。
このことから判るように、政治は決して、国民に無関心ではありません。実は、国民からのバッシングを受けないように最大限の注意を払っています。それは裏返せば、国民がしっかりと自分の意見を言えばその意見は反映される可能性が高い事を示唆しています。

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読み返してみていま思うのは

内容が乱文アバウトたぶん誤認識多いこと
結果的には少しだけ未来予測できたこと
日本のみんながまじめに考えて話し合いが大事なこと
ミライの生活社会はじぶんたちでかんがえてつくらないといけないこと
などなど


こんなことを考えたから国連に行ったのだった



つづく